傾向4：エンドツーエンドのトレーサビリティがこれまで以上に重要に

今日の複雑で相互に密接に結びついたビジネス環境において、エンドツーエンドのトレーサビリティはかつてないほど重要になっています。これは、企業の規制要件の遵守に役立つだけでなく、業務の効率化、リスクの軽減、企業と消費者の双方との信頼関係の構築にも役立ちます。テクノロジーがさらに発展するにつれ、サプライチェーンにおける強固なトレーサビリティシステムの導入は、企業の成功にとってさらに不可欠なものとなります。サプライチェーンの一体的な視点がなければ、アレルゲンの表示漏れ、誤表示、パッケージの不正確なグラフィックなどのミスは、いつになっても新製品の発売遅延、顧客の不満足、製品のリコールの主な原因となり続けてしまいます。こういった問題は罰金や罰則につながり、メーカーにとっては売上損失やブランド信頼へのダメージで何億円もの損失となります。潜在的な落とし穴を見極め、軽減するために、クラウドベースのテクノロジーを使用することで、すべての関係者に完全なトレーサビリティを保証し、生産とサプライチェーンのプロセス全体の明確で監査可能な記録を提供します。

...グローバルなトレーサビリティは、自社のビジネスにとって優先事項だと回答

高まる消費者の期待

近年、消費者によるサプライチェーンへの期待は一層高まっており、迅速な製品の配送、および購入品の原産地や詳細に関する透明性の要求が高まっています。企業は、こうした期待に応え、改善し、説明責任を果たすにはどうすればよいかを絶えず検討しています。「玄関先までの配達」に対する要求が高まるにつれ、需要を満たすために、より多くのサプライヤーやサードパーティが互いに連携しなければならなくなってきています。これにより、サプライチェーンはさらに複雑さを増しています。グローバルサプライチェーンにおいて、ラベリングとパッケージングは極めて重要な要素であり、全体を通して相互に絡み合っています。そのため、構成可能なエンタープライズラベリングソリューションによる標準化と一元管理の機能が鍵となります。クラウドベースのソリューションにアクセスできるようにすることで、地域の製造業者、流通センター、およびサードパーティは、完全なトレーサビリティを発揮し、ブランドの一貫性の確保とエラーの削減、ラベリングの訂正・交換を避けることができます。

...今後3年以内にグローバルなトレーサビリティの重要性が高まると考えている

リコール管理における迅速な対応

リコール（およびその対応の不手際）によって生じるブランドの毀損は、甚大なものとなりかねません。企業の評判に響くだけでなく、財務内容も変化し、市場での業績にも支障をきたす可能性があります。ブランドの信用を回復するのに何年もかかることもあります。特に規制産業では、製品だけでなく人命に関わるため、そのリスクは重大です。問題を迅速に特定してリコールを管理する能力は、極めて大きな違いをもたらす可能性があるのです。また、サプライチェーンにおいては、ラベルではなく、その根底にあるデータが重要なのです。コラボレーションとプロセスの DX (デジタルトランスフォーメーション) がトレーサビリティを改善する鍵です。クラウドベースのソリューションは、リコール対象の製品を特定するためのより迅速で効率的な方法と、サプライチェーンのどこにあるのかを正確に特定し情報を取得するための最も迅速な方法を可能にします。その結果、エラーを最小限に抑え、コンプライアンスを確保し、財務的影響を軽減し、その他の派生する財務的影響を排除し、消費者の安全を確保することができます。

... グローバルサプライチェーンを通じて製品を追跡できないことに関連する最大のリスクは、リコールを効果的に管理できないことだと考えている

偽造・横流しの防止

トレーサビリティと偽造防止は、サプライチェーン管理と製品認証における重要なモデルです。これらの概念は密接に関連しており、特にライフサイクルを通じて製品の信頼性と完全性を確保することに関しては、様々な産業において極めて重要なものです。偽造品や製品の横流しはほとんどの産業で起きていますが、医薬品、化成品、食品などの規制対象製品は、消費者に対して深刻な影響を及ぼします。エンドユーザーへの危険、ブランドの評判の低下、収益の損失を防ぐなど、さまざまな理由から、偽造品に鉄槌を下すことは企業にとって優先事項となっています。サプライチェーンにおけるトレーサビリティは、ラベリング、パッケージング、そしてそれ以降に至るまで、偽造防止に役立ちます。また、セキュリティ保護されたラベリング方法を導入することで、偽造者による製品ラベルやパッケージの複製を阻止することができます。